2025全日本トライアスロン皆生大会レースレポート

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スイム

【計画】

  • タイム:55分(1’50”/100mペース)
  • 補給:スタート前にジェル1本+カフェイン100mg

【結果】

  • タイム:54分49秒(総合73位)
  • 計画通りのスイムができました。

【展開】
スタートは左端を避け、10mほど右の2列目から。
作戦は「ヘッドアップを極力せず、ドラフティングを最大限活用する」こと。
右側に他選手を視野に入れながら、彼らのヘッドアップを確認することで、自分はヘッドアップを省略。ペースの速い選手にうまく乗って、ついて行ける限りドラフティングを活用し、乗り換えながら進みました。

また、オープンウォーター練習で取り組んだ「前方2人の選手の間のやや後方ポジション」でのドラフティングも実践。
折り返し以降はペースの合う選手が揃い、よりスムーズに泳げました。

バイク

【計画】

  • T1:5分
  • バイク:4時間48分
  • パワー設定:NP 154W/TSS 263前後
     ・登り(長め):175W(FTPの約84%)
     ・平坦:145W
     ・下り:100W

【補給】

  • ジェル:1時間ごとに1本
  • ドリンク:計3本体制(濃いモルテンドリンク800ml[カフェイン入り]、スポーツドリンク1本と水1本 はエイドで毎回交換)

【結果】

  • タイム:4時間49分20秒(バイクパート44位)
  • 29.2km/h
  • ほぼ計画通りに遂行できました。

【展開】
作戦は「計画出力を確実に遂行する」こと。IRONMANケアンズではTSS300を超えてランが厳しかったので、今回は余裕を持ったTSS263前後の計画で臨みました。

ダンシングは最大20秒までに抑え、サイコンにはラップ毎のNPパワーを表示。地形の変化に合わせて手動でラップを刻み、出力を細かく管理しました。

大山の登り前にはパック走行もでき、時速25km以下はシッティング、30km以上はエアロポジションというルールを徹底。見通しの悪い下りでは無理せず、常にブレーキに指を添えて落車リスクを避けました。

補給面では、中山エイドで10秒間だけ足をついてボトル交換した以外は、すべてノンストップでボトル交換。最初は2回ほど受け取りに失敗しましたが、その後は減速を工夫し、確実に2本ずつ受け取れました。

練習時よりも頻繁にボトル交換を行ったおかげで、暑さはさほど気にならず、深部体温は38.8℃まで上昇しましたが、パフォーマンスへの影響は感じませんでした。

ジェルの補給も最後まで順調で、吐き気などの問題もなし。特に駆け引きもなく、無理に攻めることもせず、かといって力を抜くこともせず、すべては「灼熱のランで崩れない」ため。ロボットのように、ただ計画を忠実に遂行しました。

ラン

【計画】

  • T2:5分(トイレ含む)
  • Run:4時間(5’45″/kmペース × 40km + 信号待ち10分)
  • 補給:1時間ごとにジェル1本/スポーツドリンクとコーラ/20km地点でカフェイン200mg

【結果】

  • タイム:3時間51分02秒(22位)
  • 5:38/km

【実際の展開】
T2に入ると、岡本選手を発見。「あれ、いつ抜いたんか分からんかったわ〜」と言われる。
感情は封印。計画通り、まずはトイレに行って気持ちをリセット。

アナウンスでは「30位台」とコールされ、思わず「え?」と耳を疑う。とにかく落ち着いて、準備していた“洗濯ネット&ジップロックの氷”を補給。両肩に氷のパッドを詰め、水をかぶってスタート。体感はまさに「火事の家に飛び込む」ような暑さ。

脚の感覚にはまだ余裕がある。でもここで油断せず、キロ5分前後で様子を見る。10分ほど走っても心拍数は135前後で高止まりし、じわっと吐き気が。早めに対処しようとペースを落とす。

弓ヶ浜に入るまでは信号の多さで「ストップ&ゴー」になりがちで、リズムが作りにくい。信号で止まったタイミングでジェルを補給し、ジップロックの氷水をちびちびと。思わず「気持ちいい〜」と声が漏れる。ちょっと周囲の視線が気になるけど、同時に優越感もある。

弓ヶ浜に入ってからはキロ5分10秒ほどの安定ペースで刻む。エイドでは氷をしっかり補充し、2回に1回はスルー。特に「弓ヶ浜展望駐車場のエイドは絶対にスルー」と事前に決めていたので、その通りに。

氷パッドのおかげで暑さはそれほど感じず、エイド直後に氷水を浴びると、逆に鳥肌が立つほど冷える。深部体温は38.5〜38.7℃で、バイク時よりも低めに推移していた記憶。

折り返しを過ぎると、心拍が130以上に上がり始め、身体にわずかな違和感。右くるぶしにも痛みが出てきた。絶対に崩れたくない。ここで10秒ほどペースを落とし、心拍数を128前後に調整すると、何とか耐えられそう。

境港の信号待ちでは、ジェル・カフェイン・塩をセットで補給し、水も口に含む。今回の補給は「信号待ちでじっくり摂る」「スポドリにこだわらず水を選ぶ」の2点が功を奏し、非常にスムーズだった。

後半は心拍数を見ながら淡々とピッチを刻む。前後にはほとんど選手がいない。どれだけ頑張れば順位が上がるかも分からない。でも、すれ違う先輩方とエールを交わすたび、胸が熱くなる。涙が出そうなくらい元気をもらった。

極限状態で何を考えていたかというと…「レース終わったらマッチ飲みたい」。
もう、そんなもんです(笑)

とにかくフォームを意識して、地面からの反発を受けるイメージをキープ。思考を止めて“無”になって進む。

「あと2kmしかない」と焦る気持ちと、「まだ2kmある」の狭間で葛藤。前方には緑ゼッケン(リレー)の選手ばかりで、順位が上がりそうにない。残り500mを過ぎ、スタジアムに入ると、100m先に白ゼッケンを発見。

「これは…いくしかない!」

ラストスパートの全力ダッシュ。コーナーで追いついた瞬間、「どうぞ」と手で道を譲ってくれた。ありがたく抜いて、全力でフィニッシュ!

このとき抜いた選手が、後から確認すると同じエイジの3位の選手。まさかの最後のスパートが“表彰台の分かれ目”になるとは思ってもいなかった。

総括

【計画】

トータルタイム:9時間53分(目標心拍数130=79%前後)

【結果】

9時間35分11秒(総合24位/エイジ2位)

今回の目的は明確でした。

「IRONMAN KONAのスロットを獲るために、灼熱の中でも勝負できる力があるか見極めること」

そのために設定したペースや補給計画は、ChatGPT相手に何度も壁打ちしながら練り上げたもの。特にランパートは一昨年のリザルトを参考に、「攻めすぎない」控えめな計画で臨みました。最終的には高橋コーチにも確認してもらい、「タイムではなく“女子トップに負けるな”」というテーマに切り替えて挑戦。

結果として、女子トップには及びませんでしたが、戦略とプランは限りなく完遂できたと言える内容でした。

特に印象的だったのは、コーチからすすめられた“ジップロック氷”の効果。これが本当に効いた。冷却が上手くハマったおかげで、灼熱の中でも深部体温をコントロールし、フルマラソン3時間20分の私が、T2と信号待ち込みで3時間51分という“暑さに負けない”走りができました。

今回のレースは、バイクもランも、「計画を遂行する」ことに徹しきれたのが最大の成果です。無理に勝負せず、淡々と「やるべきこと」をやる。派手さはないかもしれないけれど、勝つための“土台”が確実にできた実感があります。

この成果は、私一人の力ではありません。

大会を開催・運営してくださった皆さま、地元の方々、チームデモトの仲間、高橋コーチ、そして日々支えてくれる家族と妻に、心から感謝します。

楽しかった。まさに“大人の大運動会”。

またここから、KONAを目指して、歩を進めます。