2026412 IRONMANポンフー(台湾) レースレポート

■スイム(3.8km)

目標:1:07:08(1:46/100m)
補給:スタート前にジェル2本+カフェイン100mg

公式記録:1:05:42(1:43/100m)
Garmin:1:05:35(1:54/100m/距離 3,452m)

3日前から水温が下がり始め、当日朝に急遽ウェットスーツ着用が許可された。

スタート約40分前の時点ではまだスタートラインに人が少なかったため、軽くウォームアップを行い、トイレ等を済ませてから整列に向かう。

しかしこの判断が裏目に出て、戻った時にはすでに長蛇の列。前方スタートの予定が崩れてしまった。

コースは左回り。

右呼吸のため本来は左側からスタートしたかったが移動できず、最も右側からのスタートとなった。

当日は前日よりも海況が穏やかで、ウェットスーツの恩恵もあり泳ぎ自体は非常に楽。

ただし、真っ直ぐ泳いでいるつもりでも左へ流される傾向があり、修正を入れながらの展開。

ローリングスタートでペースの合う選手が周囲におらず、ドラフティングは使えず、ヘッドアップを多用する展開となった。

1周目の上陸時は約31分。「かなり速い」と感じたが、実際はコースが短く、Garminでは約3,450mと表示されていた。

2周目はペースの合う選手を見つけ、ドラフティングを活用。体感はEN1〜2程度で余裕を持って進めた。

スイムアップ時に時計を見ると「1時間5分」で、予定通りの感覚。

しかしGarminデータでは100mあたり1:54と想定より遅く、距離短縮の影響でタイムが出ていた内容だった。

■T1

目標:4:00
公式記録:4:16

スイムアップ後、掛水をしてウェットスーツを脱ぎやすくし、完全に脱いでから坂を駆け上がってトランジションへ。
大きなトラブルはなく、そのままスムーズにバイクへ移行できた。

■バイク(180km)

目標:32km/h(5:38:00)/NP170W/TSS324
結果:33.1km/h(5:23:51)/NP154W/TSS255/平均心拍133/獲得標高1188m

補給計画

    • 糖質:70g × 5.5時間 = 385g

    • 電解質:450mg/L × 5.5時間 = 2475mg

    • 水分:600ml × 5.5時間 = 3300ml

→ 実際は、
ジェル5本+ドリンク4本(約2.6L:グリコCCD・ポカリ・モルテン)+エイドの水約700mlで補給
カフェイン:200mg

コース

T1から北上しA地点まで34km、A〜B間19kmを3往復(計114km)、その後T2まで35km。
獲得標高は約1250mだが、40m以下の細かいアップダウンの連続。
→ 10kmごとのオートラップで管理。

レース展開

前日のコーチミーティングで「南風が強く、ラスト30kmが厳しい」と共有されていたため、序盤はNP165Wで抑えて入るプラン。

しかし実際の風は想定より弱く、数メートル程度。橋の上でもエアロポジションを維持できるコンディションだった。

    • 向かい風(A→B):平均28km/h

    • 追い風(B→A):平均40km/h

エイドでは毎回ボトルを受け取り、
飲水 → 掛水 → すぐ捨てる を徹底。
100kmまでは非常に順調にレースを進めた。

トラブル(104km〜)

104km付近で、突然の吐き気と頭痛に襲われる。
感覚的には過去の猛暑ライド時と同様。

後からGarminデータを確認すると、気温は
28℃ → 33℃ → 最終的に35℃まで上昇していた。

体感では脚の余裕はあるものの、

    • 心拍数:130台 → 140台(約85%)に上昇
      と、明らかに内的負荷が上がっている状態。

吐き気の原因は、
高濃度のドリンク+ジェルによる胃内浸透圧の上昇 → 脱水傾向
と判断し、補給を修正。

リカバリー対応

    • 出力:165W → 150Wへ即ダウン

    • 補給:エイドでボトルを捨て、真水中心へ切り替え

    • 約40分で400ml程度をゆっくり摂取

→ 心拍は130程度まで低下し、一度立て直しに成功。
→ ドリンクも3種類を使い分け、味変で対応。

140km付近で一旦回復するも、再び頭痛と吐き気が出現。
出力を上げようとしても130W程度しか出せない状態に。

一瞬パワーメーターの故障を疑うレベルだったが、
実際は完全にパフォーマンス低下。

スピードも落ち、これまで抜いてきた選手に次々と抜き返される展開。
体感は「ポタリング」に近く、7人ほどに抜かれた。

この時、
KONAスロットが指の間からこぼれ落ちていく感覚があった。

終盤の判断

登りでは大きく失速するが、
無理なダンシングは「完全終了」に繋がると判断。

    • エアロポジション維持を最優先

    • 向かい風を耐えながら、とにかくT2まで繋ぐ

「ランで必ず巻き返す」と切り替えてバイクを終えた。

 

■T2

設定:4:00

ラックにはディスクホイールのバイクが多く、上位層の雰囲気。
焦らず落ち着いてシューズを履き替え、ランへスタート。

■ラン(42.195km)

設定:4:50/km(3:24:00)
結果:5:35/km(3:56:27)/平均心拍122

補給

    • ジェル3本

    • カフェイン200mg

    • エイドでは飲めるものを都度摂取

    • ジップロックに氷を入れ、首の後ろを徹底的に冷却
      ※ 溶けた氷水は飲めず

コース

港周辺を1周約10km強、全4周回のフラットコース。

レース展開

バイクで脚が終わっていても、ラン序盤はオーバーペースになりやすい。
そのため、意識的に抑えて5:00/km前後で入るつもりだった。

しかし時計を見ると5:40/km
「意味が分からないほど遅い」と感じるスタートだった。

さらに6:00/kmのラップまで出始め、
「これは4時間かかる」と現実を突きつけられる。

完全に厳しい状況だったが、沿道のコーチから
「今7位、ベストを尽くそう!」
という声が飛び、KONAへの道が絶望的な無事を理解した。

中盤の立て直し

予定通り10kmごとにジェルを摂取。
エイドでは毎回、

    • 掛水

    • 水分補給

    • 氷の確保

を欠かさず、とにかく体を冷やすことに集中した。

すると20kmを過ぎたあたりから、急に身体が軽くなり始める。
ペースも5:20/km前後まで回復。

沿道のコーチにも
「今から上げていきます!」
と宣言し、自分自身を鼓舞。絶対に諦めないと決めた。

後から振り返ると、

    • 午後2時を過ぎて気温が下がり始めたこと

    • ホテルや建物の影が伸び、日陰が増えたこと

この環境変化が大きく影響していた。

メンタル

他人と結果はコントロールできない。
コントロールできるのは、自分が積み上げてきた準備と、その日に出し切ることだけ。

この日の展開は、1年前からトレーニング中に何度も想定していた。

雨の日も、風の日も、雪で路面が滑る日も、
ポイント練習は設定ペースを100%積み上げてきた。

できることを全部やった。
その結果なら受け入れられる。

この時点でベストを尽くす理由は、
もはやKONAのためだけではなく、

自分の人生に後悔を残さないためだった。

終盤

ラスト10kmからは完全に攻めへ切り替え。
ゼイゼイ、ハーハーと声が出るL4レベルまで強度を上げていく。

残り5kmはエイドにも寄らず全力。

失敗レースだったとしても、
「何の後悔もない」と割り切ってフィニッシュへ向かった。

レッドカーペットでは鐘を鳴らし、特大ジャンプでゴール。

フィニッシュ地点ではコーチが待っていてくれた。
不甲斐ない結果への申し訳なさはあったが、
出し切った実感だけは確かに残っていた。

 

■総括

結果(目標)※総合550人中

    • スイム:1:05:42(1:07:08)65位

    • T1:4:16(4:00)

    • バイク:5:23:51(5:37:53)43位

    • T2:4:06(4:00)

    • ラン:3:56:27(3:23:58)50位

合計:10:34:20(10:16:58)総合36位/M45-49 7位
男子年代別修正タイム:9:56:20(9:40:01)36位

レース評価

今回はバイク後半で失速し、ランも伸ばせなかった完全な失敗レースでした。

KONAスロットのボーダーは、

    • 年代別修正タイム:9時間40分前後

    • 年代別順位:3位以内

と想定していた中で、

    • 年代別7位

    • 修正タイム9:56:20

    • 男子パフォーマンスプール36位

正直、状況的には絶望的でした。

レース後、コーチは翌朝帰国予定。
その夜のミーティングでは、
「可能性は1%。一応パスポートとクレジットは持って行こう」
と言われる状況でした。

■ロールダウンアワード

今回のKONAスロットは計40枠

    • 女子:14枠
       ・年代別1〜3位:10枠
       ・パフォーマンスプール:4枠

    • 男子:26枠
       ・年代別1〜3位:12枠
       ・パフォーマンスプール:14枠

アワードに参加し、順位リストを見ながら残りスロットをカウント。
しかし感覚としては「厳しい」というよりほぼ無理

それでも最後まで見届けた結果——

最後の40枠目
34位・35位の選手が辞退し、スロットが回ってきた。

KONAスロット獲得

思わず涙が溢れました。

悔しさ、安堵、驚き、感謝——
いろんな感情が一気に込み上げてきた瞬間でした。

本当はその場でコーチとハグして泣きたかった。

こんな映画のような展開が現実にあるのかと、
思い返すだけでも感謝の気持ちで胸がいっぱいになります。

後日コーチから、
「anything is possible を体現してくれました!!こちらこそ、感動をありがとうございました」
というメッセージをいただき、言葉にできないほど嬉しかったです。

今回のスロット獲得は、決して自分一人の力ではなく、
支えてくださった多くの方々のおかげだと感じています。

ここから、KONAに向けて新たなスタートです。

■暑熱順化の振り返り

サウナは思ったほど効果を感じなかったというのが正直な印象です。

バイク後半でパワーが出なくなった要因は、

    • 気温上昇(最大35℃をサイコンで記録)

    • 強い紫外線

の影響が大きいと考えています。

一方でラン後半にペースが上がったのは、

    • 午後2時以降の気温低下

    • 建物の影が増えたことによる体感温度の低下

が大きく影響していました。

実施内容

    • 2月中旬から暑熱順化開始

    • L2バイク:扇風機なし+長袖

    • ジョグ:サウナスーツ着用

    • レース3週間前から:2日に1回サウナ(10分×3セット)

やれることは全てやったが、
明確な効果実感は薄かったという結論です。

■深部体温(Core2)

自分には合わないため、手放す判断をしました。

    • L4トレーニングでも約38℃

    • レース中も約38℃前後

    • 猛暑の皆生でも約38.5℃

一般的な数値より明らかに低く出る傾向があります。

おそらく、
低心拍ゆえにアルゴリズムが負荷を低く見積もっている
→ 深部体温の推定も低めに出ている可能性が高い。

その結果、暑熱順化スコアも参考にならず、
実用性が低いと判断しました。

■まとめ

結果だけ見れば失敗レース。
しかし、最後までやり切ったことで掴んだKONAスロット。

anything is possible

ここからが本当のスタート。
KONAに向けて、さらに積み上げていきます。